上映作品「Waltz」

Waltz

監督 宮澤真理
14分 2019年 日本

物語の舞台は麦からできた食品たちの住む世界。彼らの中にも多くの種類が存在していて、反目しあっている。しかし、肉やクリームなど小麦以外の原料からできた存在が現れると、それに対して一致団結して対抗しようとする。

そうした世界へまったく無個性なソーセージが現れた。彼はこれまで違う形の仲間を見たことがなく、首から下げたネックレスの番号で「ナイン」と呼ばれている。様々な種類の食品の存在を目の当たりにしてとまどうナイン。麦からできていないゆえに、投獄されてしまうが、友人の機転のおかげで仲間に迎えられる。平和の日々もつかの間、隣国で新たな対立が発生。ナインたちの活躍で、なんとか和解し、大団円となるのだが、そこに、液体という形態の食品が出現し…。まだまだごたごたは続きそうだ。

ナインは兄弟達のもとに帰るに際して、個性という概念をお土産に選んだ。個性がめばえれば、番号のネックレスはいらなくなるだろう。いずれ、小さな袋の中でさえグループ化と対立が起きてくるのかもしれない。でもそうしたら、また麦の世界でやったみたいに楽しくバタバタしたらいい。